和気町歴史民俗資料館コラムvol.2

こんにちは!和気町歴史民俗資料館です!

 当館では現在、企画展「描かれた大國家〜家相図から見る昔の家と現在の修復工事〜」を開催しています。

 和気町では平成30年度(2018)から和気町尺所にある重要文化財旧大國家住宅の老朽化に伴う保存修理工事を行なっております。大國家は酒造業と運送業で栄えた家で、宝暦10年(1760)に創建された主屋をはじめ蔵座敷など合わせて6棟が平成16年(2004)に国指定となりました。現在、保存修理と並行して古文書調査や、活用委員会を立ち上げて保存活用のあり方を模索している真っ最中です。

 この建物の特徴はなんといっても比翼入母屋造という珍しい構造。同型の屋根を持つ有名な建物には、国宝吉備津神社本殿・拝殿(岡山県岡山市)や重要文化財法華経寺祖師堂(千葉県市川市)があり、家屋としては旧大國家以外には例がありません。そんな特徴的なこの住宅は、増改築を頻繁に行なっていたことでも有名。そのため建物の中は複雑なつくりとなっています。

 今回、大國家に伝わる家相図(建物や敷地の吉凶を占ったもの)を中心に展示をしているので、家の間取りを見るのが好き!という方は必見です!

 また、修理の様子を記録した映像や写真も交えた展示となっておりますので、小さなお子様でも楽しめる内容となっています。想像を膨らませながら、江戸〜明治時代の間取りが描かれた家相図を眺めてみてはいかがでしょうか。

 次回vol.3では「描かれた大國家」展示中の資料を紹介します!

<保存修理の様子はインスタグラムでも発信中>

中村暁子 プロフィール

和気町歴史民俗資料館学芸員。考古、民俗、建造物など幅広く和気町の歴史に関する調査・保存・展示等行う。